進行卵巣がんへのリンパ節郭清は必要か

背景 進行卵巣がん患者の外科治療では、骨盤、傍大動脈リンパ節の系統的郭清が広く行われているが、無作為化臨床試験において十分なエビデンスは得られていない。

方法 新規に進行卵巣がん(FIGO分類 2B~4期)と診断され、手術において肉眼的に完全切除術ができ、且つ正常リンパ節を有していた患者を、リンパ節郭清を受ける群と受けない群に無作為に割り当て対照比較試験を実施した。参加施設は、試験参加前に手術スキルに関する基準を満たすことが求められた。主要評価項目は全生存期間である。

結果 2008年12月から2012年1月までに合計647人の患者を無作為にリンパ節郭清施行(323例)または非リンパ節郭清(324例)に割り当て分析した。リンパ節郭清施行患者において切除されたリンパ節の中央値は57個であった。(骨盤リンパ節35個および大動脈周囲リンパ節22個) 全生存期間中央値は、非リンパ節郭清群で69.2ヵ月、リンパ節郭清施行群で65.5ヵ月であった。無増悪生存期間の中央値は両群とも25.5ヵ月であった。術後の重篤な合併症は、リンパ節郭清施行群でより頻繁に発生した。(例:再手術の発生率12.4%対6.5%、手術後60日以内の死亡率3.1%対0.9%)

結論 手術において肉眼的に完全切除術ができ、且つ正常リンパ節を有していた進行性卵巣癌患者における骨盤および大動脈周囲リンパ節郭清は、全生存期間、無増悪生存期間ともに延びず、術後合併症の発生率を高めた。


翻訳 そら


原文 A Randomized Trial of Lymphadenectomy in Patients with Advanced Ovarian Neoplasms


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